思いがけないキャッチフレーズと世界の裂け目

思いがけず、世界が変わるようなキャッチフレーズやコピーに出会うことがある。
昔から仕事柄西成に行くことも多いのだが、ずっと気になっていた看板のフレーズである。
「やめろ ひったくり 
西成では許さない。
彼女が出来ないぞ!」
西成以外でもひったくりは、許されないし、彼女が出来る、出来ないとは結び付かないと思うのだが、いかがなものであろうか?

昔、どこかの寺に行った時のこと。
大きな池に、たくさんの白鳥たちが佇んでいた。
はたには、こんな看板が…。
「かみつきますから、白鳥にエサを与えないでください。
近づかないでください。」

白鳥が噛みつかないというのは、勝手な思い込みで、イメージでしかない。
鹿やヤギはかわいいばかりでないとやや警戒していたが、白鳥は盲点であった。
穏やかな日常の揺らぎである。
ゴルフ場の帰りに産直店の店頭で見たことがある。
「放し飼い卵」
勝手に転がったり、弾んだりする卵を勝手にイメージしてしまう。


ベタなフレーズ多いです。
警察系、自衛隊系。


「草食系より大阪府警。」
公僕の肉食ポリスマンあつまりましでしょうか?
東京時代、気になっていた、公園の看板あります。
「蚊に刺されないように注意してください。」


優しすぎる。
でも長袖、長ズボンが必要なのね。
開き直られる飲食店さんもあります。
「本日そば失敗しました」
「そば しっぱいしなければ あります」


潔すぎます。
その正直さに感動すら覚えます。

言葉の力でわれわれのささやかな現実のリアリティーが打ち破られる裂け目がある。
鮮烈な世界の変化に直面することがあるのだ。

秋山哲夫

つれづれなるままに、ひぐらしスマホに向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、 そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ!

0コメント

  • 1000 / 1000