『寿司讃歌』

いても立ってもいられないくらいに目が回るほどおなかがすいていても無性に寿司が食べタイ時がある。

心情をトロすると、毎食寿司でもよいくらいだ。
イクラなんでもそれはさすがに言い過ぎかもしれないが、寿司を食べると間違いなくエビす顔になってほころんでしまう。

寿司というものは、仕事でいうとはなはだコハダ、新聞記者に似ている。

どちらも、ネタをのせて飯を食うからだ。
公園の鉄棒、いい音楽と同じく、サビがついてくる。

めでタイ日には、一念ホッキして、カレイな宴を開きたい。
コハダ寒い夜なんぞは、サケといっしょにつまみマス。
世知辛い世の中、いばりチラシた上司のいイナリになるのもしゃくで、たまにはいさカイもあろうが、「あほ、タコ、あのヒラメ上司、へのカッパ、イワシたる!」
などと腹ホタテず、目クジラ立てず、シンコくにならずに手と手をニギリあっていタイ!

みんな人の子、カズノコはニシンの子、トビッコはトビウオの子、タマゴは鶏の子、ハマチはブリの子、はまちのりこは松田聖子、シャコはなくても心はオドリ、みんな元気でいたいもの!

絶えずアワビの気持ちは忘れずに、人と付き合ウニ限るだろう!

寿司の醍醐味は、大トロにあるということに異論を唱える人はまずいないと思う。
しかし、絶世の美女さながら、なかなか手が出せないし、ノリの良さだけでは押せないし、気持ちもトロできない。
鰻も脂がのっていて大好きな一品だ。
芸人と同じくすべったら落ち、受ければ人気もウナギ登り。
海老も好物である。
映画「男はつらいよ」 みたいに味わい深く、「クルマ」もいれば 「サクラ」もいる。

青魚の類いも好きで、中でも鯖は格別だ。
年齢とゴルフのスコアはサバ読まず、ゲタをはかせず、ニギリもきれいに正直にいきたい。
ハマチやカンパチも旨い。
出世が約束されているのも素晴らしい。

ヒラメは、日向ぼっこでもしながら、のんびり味わってみたいネタである。
エンガワが特に良い。

ツバスは、「青い珊瑚礁」でも観賞しながら、味わいたい。
どちらもブリっ子だ。

サンマといえば、やはりこの季節、旬の新サンマであろう。
伊万里焼の酒器に入った素敵な日本酒
と合わせたい。

〆さばは、トリに残しておきたい。
スがあって、しまる。

蛸は、手抜きしないですみまできれいに掃除して出していただきたい。
できれば、九番がいい。

つぶ貝は、肩のこらない店で食したい。
ただでさえ、コリコリだから。

蟹は、敷居の高い店では慎重にいただく。
下品な立ち振舞いで、「こーら」と大将に叱られたくはない!

「How Much! イクラですか?」
アガリは、きちんときれいに現金で支払ウニ限ります!

今度来るときも、同じネタの繰り返し注文は風情がないので慎みたい。
イカ、同文!




秋山哲夫

つれづれなるままに、ひぐらしスマホに向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、 そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ!

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